• テキストサイズ

八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】

第3章 ページ3、光




ケイト「…」

彼の名前、なんて言ったかな?

フエゴレオンだっけ?


本当に…優しいんだな。



そう寝顔をじーっと見ていると、僅かに身もだえし


フエゴレオン「ん…」もぞっ
ケイト「びくぅ!)!!;」

私はその僅かな変化にびくついた。


過去にも似たようなことがあって

その直後に意図せず
急に殴られたこともあってか、怖くてたまらなかった。



が、その時脳裏によぎったのは…



「辛かったろう(さすさす)


案ずることはない…

もう、大丈夫だ」ぎゅうう


優しく背を撫でながら、しっかりと抱き返して

決して離すまいと、安心させようとする彼の姿で


僅かながらでも、心を落ち着けることができた。



フエゴレオン「…ん。

起きたか?」ぼー

ケイト「…うん」こく


フエゴレオン「…よく眠れたか?」

ケイト「…ん。

おかげで…怖い夢…見な、かった。


ありがとう」ぺこり


その時、遠い昔の自分なら笑って礼を言っていただろう。

だが、決して笑おうとして笑わないのではない。


笑えないのだ。

頬の筋肉が思ったように動いてくれない。
愛想笑いしようとしても、全く動かないそれにもどかしくも思ったわけだが…



フエゴレオン「無理に笑わなくて構わない。

言っただろう?ゆっくりでいいと。


焦らず、地道にでいい。

すぐに変われるほどのものじゃないだろう?」


ケイト「…うん」


その言葉に、そっと頬を撫でる手に

温かさを感じて、涙を浮かべながら頷いた。


/ 484ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp