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八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】

第3章 ページ3、光





この気持ち…伝わってるかな?



嬉しいよ。

この涙は、苦しくて泣いてるんじゃない。哀しくて泣いてるんじゃない。


嬉し過ぎて、どうしようもない。



初めて、人を愛おしく感じて

温もりを感じて、傍に居たいという感覚…





姉は友達がいた分、自分とは違うだろう。


その分、かかりきりにはならなかったし

こちらも、負担をかけたくなくて無理してた。



気味悪がられて、遠ざけられて、孤立させられて

傷付けられて、暴言はかれて、殺されかけたことさえもあった。



けれど…

甘えることも、あまりできないまま私は大きくなっていった。


あまつさえ、抱き締めることなどあまりないままに……




だからか…

フエゴレオンのそれが、嬉しくてたまらなく感じていた。


もっと、傍に居たい。触れていたい。身近なものとして感じていたい。



そう思っては抱き締め



でも、やっぱり…

邪魔になるくらいなら、負担になるくらいなら……


といった心もまた、同時に出てきては少し離れようとしていた。


が、フエゴレオンはそれを意に介さず抱き締めてきた。




フエゴレオン「無理はするな。

その我慢も、押さえつけも、しなくていい。


遠慮なくぶつけてこい。

迷惑なら迷惑だと言うが、それは迷惑とも負担とも思わない。



自分を、犠牲にするな」


真剣な表情で、真っ直ぐに言葉をぶつけてくれた。


だからかそれらは…

ちゃんと、心に沁み入っていった。



ケイト「っ…;

私の体当たりはきついぞ?;」ぐすっ

フエゴレオン「遠慮なくかかって来い。

ちょうどいい鍛練だ」きっぱり


僅かにだが、口角が上がった。

安心したからか、そんなのはどうでもいいとさえ感じられた。


だって…

その存在が、本当に嬉しかったから。



それにフエゴレオンは、そう言い放ってから

ふっと目を細めながら笑いかけ、そっと頭を撫でてくれた。


まるで、大したことをしていないかのように微笑むそれは

太陽のように眩しく、温かく、光のように思えた。


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