八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第3章 ページ3、光
どうしよう…
もう二度と、人なんて信じないつもりだったのに……
その手を、離したくなかった。
『もう、一人は嫌だ』
そんな心が、張り裂けそうな痛みが
離すといった行動を、突き放すことを、させてはくれなかった。
朝日の中、気付いた時には
恐ろしいと感じていた「人」の手を取ってしまっていた。
今までに出会ったことのない部類の人だと、感じたからだろうか。
この人なら、縋っても大丈夫だと思ってしまったからだろうか…
そう考えること自体、久方ぶりだった。
長い間、そのように考えること自体もなく
考えてしまえば止まらぬまま、自分を殺そうとするばかりだったから
余計に気が落ち込んでは、殺そうとしては再び蘇ってばかりで萎えてしまっていた。
それが、まさか…
こんなことになるなんて、考えもしなかった。
ベッドの中、一緒の布団をかぶったまま
私は涙ながらに必死に縋り
彼は優しく抱き返して落ち着くまでずっと背を撫で続け
その温かな夢見心地に似た感触から
小さな太陽を連想しながら、その「光」に身をうずめていた。
で、結果として眠ってしまったと…;
理解はできたわけだが…
今までにしたことのない行動に、頭が真っ白になっていた。