八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第9章 ページ9、誕生日
しかし、ヤミは聞き飽きているようで…
ヤミ「それが風月流だろ?
どんなに困難で厄介な手法を用いられても
自然と一体化するみてえに動じず冷静さを失わず
なおかつ、体中から魔法や剣による影響で動いた風を感じつつ
それに応じて瞬時に判断しながら、体を動かして逸らしたり交える。
重心の移動も状況に応じてより早く行えるようにしつつ、攻撃による動きはより鋭く
防御に関しちゃより早く行えるようにってのが筋だったよな?」
ケイト「うん!
相手の振り下ろしてくる攻撃に対し」しゅっ
ヤミ「!」がっ!
言いながら瞬時に詰め寄りつつ、刀をヤミの脳天へ振り下ろし
ヤミは即座に上段で水平に構えて防いだ。
(この間、僅か0.2秒)
ケイト「一直線にとらえようとするのが、刹那の「攻撃の動き」。
それを見極め、瞬時に横の力を加えて動かすことで逸らす。
円状に動かすのが一番効果的だ。
身体の構造上、そのように動かす方がやりやすく、負担も少なくて済むからな」
そう言いながら
ケイトの攻撃を防ぐために、上向きに力を加えていたヤミの刀に対し
それを横から=力が加えられていない方向から攻撃に移った。
刃に触れたまま
添えるように抵抗なく、均衡し合うこともないよう横=右へ動かしつつ
それから瞬時に手首を返し、円状に回転させるように
がら空きになっていた下から攻撃を繰り出し、寸止めした。
ケイトが持つ剣先から見て
右から右下、右下から下、下から左下、左下から左、左から左上へ流れるように
何の抵抗もなく、滑らかに
瞬きする瞬間=一瞬で、円状にヤミの顎へ刀が詰め寄っていた。
ふと気付けば、勝負ありだった。
(この間、0.1秒)
なるほど、それがケイトが極めたという「剣術」か。
それらに私が納得している中、なおも説明は続いた。