八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第9章 ページ9、誕生日
その激昂が紅蓮の獅子王団アジトに響き渡った瞬間
私は沸騰するほどキレたまま
単身かつ誰も追いつけないほど高速で、建物へと突っ込んだ。
どっごぉん!!!!
「ぶわっ!;
なんだこの煙!!;」
「誰かが突入してきたんだ!;
取り返そうとしてるに決まってる!!
血を取るまで近づけさせんじゃねえぞ!」
「あ~もう!わかったよ!!
この建物の主がチクりやがったな!ちくしょう!!」
その折に見えた光景は…今でも目に焼き付いている。
二人の男の後ろに、ケイトはいた。
後ろ手に縛られたまま
身体も魔も動かぬことで不安げな表情で涙を浮かべていたが
何よりも問題だったのは…その格好だった。
胸元ははだけ、白い肌が露出しており
方や私と向かい合った男性は、ズボンが腰まで下りていた。
ぶちっ!!!!
フエゴレオン「もしや…もう、既に…
行為の後!?)…」ぎりっ
その瞬間、私の内に占めたのは…黒い感情。
ケイト「ぱあ)フエゴレオ
フエゴレオン「貴様ら!!!!
生きて帰れると思うなよ!!!!??・・」ごぉっ!!!!(黒睨&激しい炎)
ケイト「ひぎゃああああああああ!!!!・・;」真っ青&がくぶる
安心したように瞳を輝かせ、涙を浮かべながら名を呼ぶケイトを遮るように
言い知れようのない激情に駆られた私は、気付けば怒りのままに叫んでいた。
私は、その当時…
顔色が真っ黒のまま全身から炎を出し
男性もろとも建物にまで当たり散らし、破壊の限りを尽くしたそうだ。
ケイト曰く
『あの時のフエゴレオンは
不動明王の如く
鬼神のように暴れ続ける様に、恐怖しか起きなかった』という…;
おそらく父から受けていたDVのトラウマを呼び起こしてしまったのだろう;
怒りという名の激情のまま
その当時の様が記憶に残らぬほど乱れ、取り乱し、暴れに暴れた結果…
主犯二人組を逮捕こそしたものの、建物は「全壊」。
言わずもがな、1か月の謹慎処分となった;(汗)
経営者「ああああああああああああ!!!!!;」←建物の持ち主
経営者は全壊した建物を前に、地に伏して泣き叫び
ケイトは始終震え続け、今にも泣き出しそうな顔で怯えるばかりだった。
おまけにこれらは…
私の誕生日の、半月前の話である;