八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第3章 ページ3、光
そっと頭を撫でる中
ケイト「ひっく;えっぐ;」
私に縋りつくように、抱き締めながら泣き伏し続けていた。
誰にも話せぬまま生きてきたらしく
今まで処理せず、殺してきた感情の奔流が激流となり
それらに抗えず、少しずつ語り出していった。
ケイトが言うには、父に家族を殺され
その父もまた、強盗と思われて殺されたらしい。
少しずつでもぶつけられるように、互いに話し合った。
が、まずは
フエゴレオン「床は冷たい、ベッドで話そう」
ケイト「…」
気まずそうに見つめてくるケイトに、私は察した。
フエゴレオン「嫌な夢を見そうで怖いのか?」
ケイト「こっくり)…;」深々と頷く
フエゴレオン「…大丈夫だ。私がいる。
もし見たら噛み付いても構わない」
そう怯える背を、優しく撫でながら押し
抵抗もなかったことからベッドに腰掛け、寝るまで話し合った。
その間も、寝ている間も、ずっとその手は離さぬままでいた。
甘えることができず、誰かに話そうにも話しかけられず
罵倒されるばかりで
まともに話ができる相手もいないまま、何年も過ごし
さらに理解者もおらず、姉がいたようだが既に殺されており
傷付けても治ることから
誰にも気付かれないのをいいことに八つ当たりされ、傷付けられ続け
みぞおちを蹴り飛ばされ、殴り飛ばされ、閉じ込められ、
それでも必死にカギを壊して
自らの血にまみれながら家に帰ったこともあったらしく
終いには実験道具にされ、嫌なものばかり見せつけられたそうだ。
それら全てを、我慢するよう強要され
私が先程したようにしてくれる人がいず
「お前が歩み寄ってくれるまで、いつまでも待つし
私が守る」
その一言から
今まで殺し続けてきた感情などを押さえ込んでいた「堰」が壊れたらしく
心を僅かながらにでも、開くようになった。
それから、私とケイトは共に過ごすことが増えた。