八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第9章 ページ9、誕生日
それから後…
考えに考え抜いた結果……
フエゴレオン「これで行くか…」
数時間に渡る熟考の後
魔法で完成させたものを前に、私は一息ついた。
そのすぐ後、ケイトの部屋へ様子を覗きに行くと…
がちゃ
鍵もかかっておらず、ノックにも返事がなかったことから
音を立てないように扉を開け、そっと入ると…
レオポルド「すーすー」ぐっすり
ケイト「…むにゃ…」うとうと
どうやら昼寝中のようで
レオは気持ちよさそうに寝ており、ケイトも日頃の疲れからかうとうととしていた。
フエゴレオン「……」そっ
それに起こすのも忍びなかったため、そっとプレゼントを置いてから…
幼い動物のように
炎で作った「小さな獅子」が拙い足取りで、そっとケイトへ忍び寄るように動き出した。
その動きは、先程から考えていた矢先に思い浮かんだものだ。
ケイトは昔から自然が好きで、その中でも特に動物が好きだ。
犬派で
特に幼い子犬が好みだそうで、見た瞬間に歓声を上げるほどだった。
私は仕事の都合上、急いで移動しなければいけない有事の際には
炎で「獅子」を作り、それに乗って高速移動しており
ケイトのように光と同化して光速移動といったことはできないが、十分速い方だと言われている。
まあ…
早い話、ケイトへプレゼントしようとしているのは
その獅子の、幼子バージョンだ。
流石に犬は作れないが
一番作り慣れているのは獅子のため、幼い獅子ということにした。
あとはただ、これでも十分喜んでくれることを願うばかりだ。
しかし…
返ってきた反応は、予想以上のものだった。