八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第8章 ページ8、魔導書
ヤミ「…で、いつになったら話しかけたらいいんだ?」
レオポルド「今ならいけるかな?」
ヤミ「いや、知んねえんだけど;」
そういったやり取りが遠くで行われている中…
ざっ
「何故だ…」
その声は、突如として響いた。
ケイト「!…ノゼル?」
フエゴレオン「どうした?急に」
ノゼル「……
魔を通して、聞こえてきた」
ケイト&フエゴレオン『!!』
ケイト「え!?;
って何これ!!?
本が輝いて?;」
驚いて魔導書を覗き込むケイトにつられ、私も覗いてみると…
フエゴレオン「もしや、魔導書の魔法か?;」
ケイト「過去にされたことを、当時の感情ごとリアルに伝えるものみたい;
思念伝達魔法よりも強力な
本人の実体験で得た感情や感覚を丸ごと、相手へ伝達する魔法で;」
フエゴレオン「ふむ…
先程にも似たような現象があったな。
脳裏にお前視点で全て伝わってきたぞ」
ケイト「ええ!?;」
どうやら無意識のうちに発動していたようだな;
ノゼル「私にまで伝えてきたのはいい」
ケイト「いいの!?;」
ノゼル「それより…
何故、それほどまでにひどい目に遭わせた連中のことを想える」
ケイト「へ?」
ノゼル「故郷にいた輩は全て…
お前の父の戯言をうのみにし、お前を傷付け否定し続けた。
あまつさえ父と同様に暴言だけでなく、暴力までをも振るっていた。
そのようなことをした輩に…
何故、それほどまでに情をかけられる?」
その疑問を抱くのはごくごく尤もで
私も同じような疑問を、昔から感じていた。