八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第8章 ページ8、魔導書
ノゼルに会って、怒ってもいいのだと言われた。
自分に誇りを持てと諭された。
レオと出会えた。一緒に居ることを望まれた。
ヤミと出会って…それを知っても、差別しないでくれた。
ケイト「っ;…ぅっ;;」ぼろぼろ
それだけで
ただそれらを意識するだけで、涙が止まらなくなった。
フエゴレオン「…」
ぎゅうっ
ケイト「兄…上?;」ぐすっ
フエゴレオン「よく頑張った。
本当に…よく、話してくれた」
辛そうな表情を浮かべて、目に涙を浮かべながら背を撫でられた。
その表情はとても痛々しくて…涙がポツリと落ちていった。
ケイト「話してないよ;
ただ、伝えただけで;」
フエゴレオン「ノゼルが怒って制裁を下すのも無理はない」
ケイト「え?;」
フエゴレオン「…私も、怒りでどうにかなりそうだった。
ただ、伝わってくるだけで…どうしようもなく腹が立った。
そうされることも、そうしなければ守れないことも
それで自分を殺し続けることになり、それが当たり前となったことも…
その全てが、あり得てはいけないことで…
どうしようもなく…お前が傷付くのが嫌だった」
ケイト「…」
フエゴレオン「なぜ話さないのか、伝えたがらないのか…
渋っていた理由が、今になってやっとわかった。
人に…嫌な思いをさせないためだったんだな」
ケイト「うん。
だから…誰にも話さなきゃ、大丈夫なんだって…」
フエゴレオン「……だが
そういうことをされると、逆に辛い」
数秒の沈黙の後、呟かれた声に私は固まった。