八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第8章 ページ8、魔導書
12月下旬…
寒い日の朝の出来事だった。
父が未だに怒りが押さえられず
死んでもなお私へ刃を突き立て続けている現場に、魔法騎士団が駆けつけたことから
強盗だと勘違いされ、早急に攻撃したわけだが
そのタイミングが刺していたナイフを引き抜いた時で、攻撃を受けたはずみで父の心臓に突き刺さったことから、父は帰らぬ人になったという。
その後、遺体を回収した研究所でとらえられることになったのが…
気が付いたのが大晦日から正月になる前だったらしく、神は俺を見捨てていなかったと騒ぎ立てていた。
外があまりに騒がしく、僅かながらに聞こえてきた声から
もう年を越したのだと悟った。
それから後…
あったのは、地獄しかないもので……
何度も刃を突き立てられ
何度も、血を飲んだ人たちが次々に内側から爆発するように死んでいくのを見せつけられて
拒絶しても、必死に逃げようとしてもダメだった。
死ぬこと以外、望むものなんてなかった。
それが…
当たり前で、全てだったのに……
それで人に絶望して、希望なんて抱くだけ無駄だって思って…
人と、距離を取ることを選んだはずだったのに………
「お前が歩み寄ってくれるまで、いつまでも待つし
私が守る」
こんな私に、寄り添ってくれた(15ページ参照)。
「お前のおかげで、家族のある幸せというものが解った。
お前がいてくれて、ここに来てくれて、本当によかった」
頭を撫でて
私の存在を認めて、受け入れてくれた(75ページ参照)。
「私も…ここに来れて、本当によかったよ^^
だって…
そのおかげで、今…本当に、幸せだもん;;」
(75ページ参照)
それ以上先なんて、見えなかった。
見たくもないって思ってた。
そう思えるようになるぐらいになるなんて、思いもしなかったんだ。
一人いるだけでも、十分嬉しいのに…
それが…
さらに増えるなんて…思いもしなかった。