八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第8章 ページ8、魔導書
そうでなければ…普通ではいられなかった。
耐え続けるしかない日常の中では…
それ以外、自分に残された道はなかった。
だが…
その日常により、追い詰められた母は行動に移した。
姉も姉で、必死に周囲に助けを訴えかけていたが
元凶である父から「私(ケイト)がやっている」と言い聞かせられているため、信じられることもなかった。
その当時、普段手紙を出す際は父が睨みを利かせていて
無理やり奪い取って内容を確認されてから出す感じだったが
母が独断で、父方のいとこ(母の父親と、フエゴレオン母の母親が兄妹)である
フエゴレオンの母親に手紙を出した。
他に親類は一人もおらず、頼れる人もいなかった。
その当時
魔から母のした行為を読み取りながら、焦って帰ったのを今でも覚えている。
母は、泣いていた。
母「お願い…助けて。
もう、あの子を見ていられない;
私たちのために、身体を張るあの子を助けたいっ;;
助けを求められるのは、あなたしかいないの。
お願い…
魔法騎士団に伝えて…;
どうか、早くついてっ;」
涙ながらに父がいない内に手紙を書き連ね、走って速達で出す姿を感じた。
最後に祈るように両手を合わせてから、去っていく姿も…
しかし、母が手紙を出した所を見た人がおり
その次の日、父に言ったらしい。
それによって
魔法騎士団への通報を感付いた父は怒りを爆発させ、魔導書も使わずに凶行に至った。
ばぁん!!
荒々しく玄関の扉を開けて駆けつけた頃、見えたのは…
母と姉が既にこと切れた後で、血の海の中に横たわっていた所だった。
その直後、父から今までにないほどの荒れようで怒鳴られ
何度も何度も心臓を刺される中…
抵抗する力も湧かず、刺された回数が30を超えた頃…意識を手放した。