八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第8章 ページ8、魔導書
その瞬間
遠い昔の出来事が、その場にいたものの脳裏をよぎった。
思念伝達魔法によるものだと気付いたのは、後の話…
どかっ!!
ケイト「がはっ!」
ぱりぃん!!
母「あなた!やめて!」
父「うるせえ!」
いつものように、むしゃくしゃしたことがあったのか…
みぞおちを蹴飛ばされ、ガラスに頭ごと突っ込まらされる。
その中、何とか頭を上げると…
近くにいた母や姉にまで、暴力を振るっていた。
母と姉の悲鳴が上がる中
意識が遠のいて、視界が真っ暗に沈んだ。
それから目を覚ましてから、外で遊ぼうとしていると…
父親が外面が良い事で、自分がやったことのように言われていた。
どうしようもなく、怒りが湧き上がった。
それでも…
どれだけ訴えかけても信じてもらえないため
黙って家に帰るしか、方法はなかった。
そして家に帰って、姉と母に会って
傷だらけの姿に心配になって、大丈夫か尋ねてみると…
母「大丈夫^^;」
姉「ケイトはいいよね」
どっくん
ケイト「…え?」
一気に血の気が引いていく感覚がした。
何がいいのか、解らなかった。
姉「どうせすぐに治って、痛みなんてなくなるくせに」
ケイト「!!」
どっくん!
自分さえ…食らい続けていれば?
母や姉の分まで、自分が頑張って喰らっていれば?
誰も、傷付かないで済む?
誰も、痛い思いを…しなくて済む?
それを悟ったのは、6歳の秋に差し掛かった頃だった。