八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第3章 ページ3、光
そのまま、何分経っただろうか…
少しずつ、その温かさに安心して
うつらうつらと、眠くなってきた。
フエゴレオン「大丈夫だ。
お前が嫌がることはしないし、嫌ならすぐ離れる。
ただ…「私は、お前を傷付けない」。
お前が今までされてきたように、傷付ける目的で近寄ったりはしない。
そのような人は、ここにはいない。
それだけは、解って欲しい」
その言葉に、ふと視線を上げると
すぐ真正面に、フエゴレオンの顔が見えた。
その眼は、真っ直ぐに私をとらえていて物語っていた。
本気だと…。
大切にしたいのだと。
その腕も、魔もが語っていた。
フエゴレオン「食事も、飲み物も
どちらもお前に害するものを入れたりはしていない。
飲んだり食べただけで、傷付けたりはしない。
お前が歩み寄ってくれるまで、いつまでも待つし
私が守る。
だから…!」
ケイト「っ…」
抱き締めたまま、諭すように
たどたどしくありながらも、必死に伝えようと語るフエゴレオンに対し
ケイトは涙を浮かべ、それが頬を伝って落ちていった。
驚きで言葉を止め、固まる中
フエゴレオン「…えと;
(こういう時は…どうしたら?)
(はっ!)
もしや嫌だったか!?すまない!!」ばっ!
数秒の沈黙の後
そう思ったが早いか、素早くケイトを抱き締めていた腕を離し
遠ざかろうとした時…
ぎゅう
弱々しい力で、ズボンの裾を握り締められた。