八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第3章 ページ3、光
そのヴァーミリオン家には、既に娘と息子がいた。
その当時、娘は18歳で魔法騎士団に在籍しており
私を縛っていた縄を千切ってくれた人であった。
後に嫁に行き、当時は仕事が忙しくてあまり会わなかったが
とても心配してくれていたらしい。
息子は12歳で、フエゴレオン・ヴァーミリオン。
後の魔法騎士団、「紅蓮の獅子王」の団長だった。
主に、彼が接することが多かった。
当時の私、ケイト・ハーミットは8歳だったが
(後に、ケイト・ヴァーミリオンと名乗ることになった)
あまりに傷が深く、心も開かず、声も出すこともなく
食事も飲み物も、手を付けることは一切なく
与えられた部屋から一歩も出ないままだった。
寝るにしても、傍にあるベッドではなく
常に部屋を真っ暗にしたまま、窓は閉め切り
両膝を両腕で抱え込んだ体育座りの姿勢のままでい続け、壁を背にしたまま寝ていた。
最初の1週間こそ、何の音さたもなく
ただ様子を見るだけだったが、ある人物が入ってきた。