八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第7章 ページ7、異邦人
~少しだけ昔話~
ノゼルが14歳になる前の11月上旬に、私たちは知り合っていた。
(喧嘩章、参照)
そして私は何も知らないまま
ノゼルの前に飛び出し、満面の笑みを向けながら鴨肉をプレゼントした。
だが…
後で聞いた情報によると、11月15日にノエルという子供を産んで母親が死んでいたらしく、意気消沈していたそうなのだ。
私と知り合ってから、1年と1週間後だったらしい。
ネブラやソリドから怒られたわけだが…
ノゼルはそれを制して、私から鴨肉を笑って受け取ってくれた。
ノゼル「お前のことだ…
私を元気付けようとしてくれたんだろう?
それに…
身内を失うのではなく、奪われる感覚を知っているのはお前だ。
初対面で言った言葉を取り消す。済まなかった」
ケイト「え?ノゼルは何も悪いこと言ってないよ!」
ノゼル「…ハーミット一族の生き残り…
さぞかしトラウマになっていることを知っていた。
その上で、あのようなことを言った。
母上が死んでから、色々と調べたが…
知れば知るほど、険しい道のりを生きていたことが分かった。
侮辱したことを謝らせて欲しい」すっ
そう、頭を下げるノゼルを見たのは…初めてのことだった。
ケイト「べ、別に全然気にしてないよ!
私でも、あぁいう言い方はしないでも
誰でも味わいたくないし嫌だって事ぐらいは解るし!
だから頭下げなくていいよ!」おろおろ
ノゼル「…」
それでも、ノゼルは頭を下げるのをやめなくて…
ただただ私は混乱しながら焦るばかりで
ケイト「実は、心配だとかそんなんじゃないんだ。
ノゼルの母上が死んだこと、知らなかったし!
お前が生まれてくれてよかったって言うか
そういう風に考えるの合ってたんだって嬉しかったんだ!
散々否定されてきたし、ひどい目遭ってきたから!そうされるのが当たり前って押し付けられてきたから!!」
自分の過去の凄惨たる出来事と日常を語る中、拳を握り締めた。
負けたくなかった…
そのフラッシュバックに、辛い想い出に……