第4章 女子会?
とある日の探偵社。-PM6:58。
この日は大きな仕事もなく大方の社員が帰路についていた。
殆どの部屋に灯りがついていない。ほぼ真っ暗である。
しかし、社の会議室だけ、灯りが灯っていた。
中にいるのは、探偵社の数少ない女性社員達。
年長の与謝野晶子を筆頭に、柊梢、谷崎ナオミ、社長秘書の春野綺羅子、それらである。因みに他の女性事務員がいないのは、皆それぞれ、逢引(デート)だとか、お食事だとか、家族が待ってるだとかの用事で都合が合わなかったという理由からだ。
緊張した雰囲気の中、与謝野が徐に口を開いた。
ゴーン、とどこかの鐘が鳴る。6:00だ。
「よし・・・皆、準備はいいかい?」
「「イェッサー/はい!」」
すう・・と梢が息を吸い込んだ。
「第一回チキチキそういやクリスマス予定ねえわの会合をはじめまあああああああす!!!!」
「うぇえぇぇぇぇい!!!!」
・・・なんと上品の欠片もないネーミングセンスであろうか。
内心、この場に居る誰もがそう思った。
「はあ、多分こういうことなんだろうな。」
梢が重苦しいため息をつく。
「上品の欠片も無いから好い男も出来ないってことかい?」
「うっっ・・・心に響く・・・!!」
「まあ、ここに居るのって皆彼氏がいない女性の集まりなんですからそう気を落とさなくても・・」
春野がすかさずフォローを入れた。流石は社長秘書である。
「でもでも・・春ちゃんとか絶対彼氏作ろうと思えば作れるじゃん?美人だし、細かな気配りできるし、まさに大和撫子だわ。現代に現る大和撫子・・・」
「そ、そんなことないですよ??ね、ナオミちゃん!」
「ううん、ま、確かに春野さんは立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花・・って感じですけれど」
「うわナオミちゃんにも当てはまるわそれ~心に刺さる~(シスコン抜いたらな)」
「意外と春野さん天然って面もありますわよ?」
春野の顔がぶわっと赤く染まる。そんな様子をにやにやと眺める与謝野と梢。因みに梢は、会議室の机の上にこれでもかと大量においてあるお菓子を美味しく頂いている(各自持参7割方は梢持参)