第2章 マフィアの女だって恋する乙女【太宰治】
ダンダンダンッッ!!と床を叩けば外から、うるせえ!!馬鹿野郎!!と怒声が飛んできた。こっちも負けじとうるせえ馬鹿野郎と応戦する。
と、そこへ水を飲んだ2号がふと口を開いた。
「つーか、マフィアの人間と付き合ったらいんじゃね?」
・・・・ピクッ
「はあ??いやいやいや、それはないそれはない」
「でも一般人と付き合ったらいつかはばれるじゃねえか」
「う・・・でも、おかしくない!?私一切喋ってないんだよ?マフィアのことなんて。なのにいつもいつもバレる。きっと誰かが漏洩(リーク)したに違いないわ!!」
「はあ?それこそねえだろ・・・って何だ太宰起きてんのか。さっきからピクピク体動いてんぞもっかい寝るか?永遠に」
「べぇぇぇつにぃぃぃぃ????というかああ、小学生体型のぉ中也君にぃぃぃ私を殺すなんてことぉ到底無理な話だと思うけどなぁぁぁぁぁ」
「よおおおおおし!!!!太宰いい!!表出ろぶっ殺してやらぁ!!!」
ああもう・・・こいつらに相談した私がバカだった。
思わず額に手をあてる。
ギャアギャアギャアギャア・・ドカンボカンドドドドドッ
・・・・・・嗚呼もう此奴ら一遍死ねばいいわ
私はベランダに出る。小さくか細い光を放つ星を眺めて、はあとため息をついた。
「誰か好い人いないかなあ・・・」
ピタっ・・
さっきまで厭というほど聞こえていた騒音が一気に消える。
きこえるのは風の音。
「ならそんな梢にいい解決方法を教えてあげよう」
ぽんきち、はにっこりと笑った。
「私と付き合うというのは・・・如何かね?」
厭に心臓の音が響いていた。
「ぽんきちのくせに生意気」
***
「おい太宰。梢が付き合ってた男に情報流したの手前だろ」
「おや?何のことかな??」
「ったく・・いつもいつも手前の得意な人心掌握が彼奴に通じると思うなよ」
彼は、笑った。
「ふふ、だからこそ私は念には念を入れるんじゃァないか。」