第7章 第七章
新選組と逆である坂本の愛刀である陸奥守吉行さんを見送りながら彼等が帰って来るのを待つ、その間に他の仕事をしないとと思い執務室にこもった。しかし畑仕事が相当腰にきているのか、部屋にこもった瞬間ごろりと横になった。
「これ、明日私、腰が死ぬかもな…」
「ご主人様…畳に寝転ぶのはお身体に障るよ?」
「ぅお!?どこから出て来ましたか…亀甲貞宗さん」
女としてあるまじき姿を見せてしまった、しかし彼はとても嬉しそうに目を細めている。それにしても両手をワキワキさせながら近付かれるのがとても怖くて仕方ないんだけれども…
「ご主人様…寝具を用意しようか。なんなら按摩(あんま)もしてあげるよ?」
「按摩ね…それにしても貴方がいうとド変態にしか聞こえないのはなぜなんでしょうか…」
「!!はぁっ…いい、ご主人様の口から…そんな言葉を貰えるなんて…光栄だよ…」
おまわりさんこっちです。うっとりさせて頬が高潮しているのが見てとれる。私にどうしろと、どうして欲しいんだと頭痛までして来た、いやはや全く…歩く18禁とは彼を指す言葉なのではないかと思いげんなりする。
「それで、何の用なんです?」
「ご主人様が疲れて見えたから…僕が癒してあげようと思って」
「ほぅ…ありがたい申し出だけど。少し寝かせてくれませんか?邪魔をするなら名前の通り、亀甲縛りすんぞ?」
私が言えば、ピシッと彼の笑顔が凍り付いた。そしてぱぁ!と勢い良く桜が舞い落ちる。ちょっと待て、冗談だろう?まさかとは思うが…一番駄目な地雷を私から自分で踏んでしまったように思えた。襖がパタンと閉まる、ダラダラと冷や汗をかく私に追い詰めるように近付いて来る亀甲さんに表情が引きつった。
「まさか…ご主人様から、誘ってくれるなんて…はぁ、はぁ…駄目だ、興奮して来たっ…」
「ちょっ、興奮しないで…勘弁して下さい…」
「はぁ、僕とご主人様…二人だけの秘密だよ?」
そう服を脱ぎ始めた彼の首筋からは亀甲縛りされていた素肌がチラリと見えた。おいおい…それはないだろう、冗談でも笑えないわ。そうじっくりガン見してしまっていたからか、恥ずかしそうに顔を背けて口を開く。
「あぁっ…ご主人様、そんなに…見つめられると、僕…高まってしまうよ」
「止めろ、高まらないで…」
ナニが?一体ナニが高まるというのか、私は起き上がりなんとか後ずさりするも手首を掴まれた