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幸せになりたい!『刀剣乱舞』

第1章 第一章


一通り教えて貰うと、ゆったりした動作で立ち上がる。愛されたいと願う彼等にたっぷりで甘い愛情を贈ろうと私は襖を開けて出て行き、その少し後ろで長谷部さんは相変わらず桜をゆらゆらと散らせながら着いて来た。なんかとても懐かれたようだ。

「あっ、主!手のひらの怪我良くなった?」
「えっと…確か貴方は加州、清光くん…で当たってますか?」
「正解!自己紹介もまだなのに良く知ってたね!あぁ…もしかして。俺が可愛いから覚えていてくれたの?」

いや、タブレットで検索して名前も全て登録されていたから…とは流石に口が裂けても言えなかった。とても目をキラキラさせて笑っている加州くんに申し訳がないからだ。私は少し加州くんより身長が高い為、撫でやすいなと小さく笑いポンポン撫でて見た。すると目を見開いておりとても驚かせてしまったようだ。私は頭から手を離そうとすれば、加州くんは私の手首を掴み少し不貞腐れるように見つめ返して来た。

「もっと撫でてよ。俺…主に可愛がって欲しいんだ」

あっ、可愛い…今キュンと来た。と悶えそうになる緩んだ頬を引き締めてなでなで、なでなでと一分くらいひたすら頭を撫で回す。いつまで続くのだろうかと、そろそろ手が疲れて来たな…その気持ちを知ってか知らずか、走って来たのはポニーテールのような髪型で、新選組の羽織をまとう彼…大和守、安定?という覚え難い名前だった気がする。

「新選組…」
「!…主は新選組知ってるの!?」
「えぇまぁ、歴史は結構得意科目だったし…」
「僕達沖田総司の刀なんだ、扱いは難しいけど…」
「性能はピカイチだよ?可愛がってくれて着飾ってくれると嬉しいな!」

わーわー、きゃっきゃっと二人は興奮した様子で私の周りで話し掛けてくれた。沖田総司の事を熱く語られて私は頷き二人の話しを聞いている、それがとても嬉しそうで表情がコロコロと変わる二人を見るのは飽きずうんうんと私もニコニコして頷いていたら、二人きりで話したい!という事で結果的に喧嘩に発展しそうになり、後ろで控えていた長谷部さんに今すぐ二人を止めて欲しいと頼めば、嬉しそうに「主命とあらば!」そういい頭に鉄拳が振り落とされた。あぁ…そんな乱暴に。確かに止めてとはいったけれども。そう苦笑いする。

「大和守安定くん…話しなら沢山聞きますよ?加州清光くん、私の爪にマニキュアを塗って貰えますか?」
「「勿論!」」
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