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幸せになりたい!『刀剣乱舞』

第6章 第六章


彼の言葉にピタリと止まる。お金…いやいや、そんな事ないよ?大丈夫、お金は沢山あるし…ちゃんと持って来たと思う。なんて考えながら透明な画面をスワイプさせて財布の中身を確認する。うん、大丈夫だった…ちゃんと中身は入っていた。と小さく安堵の息を漏らす。彼が言いたい事は分かっている…昔まだ小夜くんが刀だった頃、お金に困った主人が小夜くんを売ってしまった過去があるからだ。私はそっと彼の頭を撫でながら微笑んだ。

「大丈夫、お金はあるよ?」
「それなら…どうして?」
「皆と買い物がしたかったからかな…」
「…僕なんかに買っても」
「小夜くんだから買ってあげたいんだよ?そうだ!だったら江雪さんと宗三さんにも買って帰ろうか?」
「!…いいの?」
「いいよ…二人はなにが好きだろうね?なにがいいかな、一緒に選ぼうか?」

私が万屋を見渡して一緒に探そうと微笑めば、小さくコクリと頷いた小夜くんは恥ずかしそうに手を差し出してくれた為、私はギュッと手を握り締めた。

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「甘い物とか食べ物がいいかな?それとも…日用品とか?飾り物とか?うーん…小夜くんは可愛らしいけど、二人は綺麗だからなー…」

なにを選んだら喜んでくれるだろうかと万屋の中で唸る。小夜くんは私の手を引かれて、色々と置いてある物を見上げていた。目移りしているようでキョロキョロと辺りを見ている。

「花…」
「えっ?うわぁ…凄く綺麗なプリザーブドフラワーだね?」
「ぷりざー、ぶど?」
「そう、プリザーブドフラワー…生花や葉を特殊液の中に沈めて、水分を抜いた素材の事を言ってね?中々枯れなくてずっと綺麗に咲き誇れる美しい生け花なんだよ?」
「これ…本物、なの?」
「うん、びっくりするよね?私も初めて見た時凄く驚いたから…」

驚いたように見つめ続けている小夜くんを愛おしいなと微笑み、江雪さんや宗三さんもきっと喜んでくれるに違いないと考えた。皆さんが住んでいる本丸に飾れたらきっと綺麗だと思ったからだ。私は小夜くんに提案して見る。

「ねぇ、小夜くん…このプリザーブドフラワー買っちゃおうか?」
「えっ、でも…高いし…」
「大丈夫、それに江雪さんや宗三さんの喜ぶ顔を私も見て見たいから…買わせてくれる?」

お願いと小夜くんの前で手を合わせてお願いを試みる。小夜くんは「あなたは…優しい。ありがとう…」と呟くと私に甘えるように抱き着いた。
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