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幸せになりたい!『刀剣乱舞』

第6章 第六章


「はぁ、はぁっ…」

前田くんと平野くんが相手の審神者の首に短刀を押し当てていた。無表情なのが怒っている以上に怖いなと思う、相手の審神者はズルズルと地面にまた座り込んでしまった。

「はいはい!皆さんそろそろ止めようか!まぁ…私も熱くなっちゃったから人の事言えないんだけどね?」
「ほら、大将のいう通りだ。平野、前田…刀を鞘に収めろよ」

薬研くんの言葉に渋々と刀を鞘に収めた。私はパンパンと手を叩く、ざわざわとざわめく野次馬は去って行き私は短刀達に万屋に行こうかとにっこり笑って見せた。先に歩いて行く短刀達の背を見つめて審神者に手を差し出す。ビクッと大きく肩を揺らした審神者は怯えて見えて私は苦笑いした。

「ごめんなさい、お怪我はありませんか?」
「お前、喧嘩売ってるのか…」
「あら…そう聞こえました?」
「お前っ!」
「私の刀を悪く言った罰です、だから言ったでしょう?私の刀は強く優しいと…」

声を詰まらせた彼は私から視線をそらした。私は中々手を取らない審神者に痺れを切らし短刀達の傍に歩いて行く。するとその審神者に呼び止められた、私はチラリと見つめて振り返る。

「なんでしょう」
「なぁ、お前…なに者なんだ」
「可笑しな事を聞くんですね。私は審神者…それ以外ありませんよ?」

元普通の会社員、今は新人の審神者…それ以外はないつもりだ。まぁ…怒ればそれなりにやる時はやるけれども。そう思いながら蛍丸くんの手を握り、もう片方の手を愛染くんが優しく握ってくれて風に髪をなびかせながら去って行った。

+++

万屋に到着した私と刀剣男士達はキャッキャと物を選んでいる。私は微笑ましく見つめながらもお守りを大量に大人買いした、お守りの極もいいなと手に取る。やはり両方買うかと考えてあるだけ全て買った。

「主君!お菓子を買って来てもいいですか!」
「んっ?いいよ、お腹が痛くならない程度に買っておいで?」

秋田くんの言葉に肯いて、大人の刀剣男士達にもお土産をあげたいように見えた。頷く私は新しいお酒でも買って行ってあげようかなと酒壺を選ぶ、その時ピタリと視界に入った。青色の髪をした男の子である。私は彼の身長まで屈み見上げて聞いて見る。

「小夜くんどうしたの?」
「…主、僕は…」
「好きな物買っていいんだよ?」
「いい…」
「どうして…」
「主は僕を連れていくなんて、お金に困ったの?」
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