第3章 第三章
存分に楽しんだ私は、真っ赤な表情でへなへなになっている三日月さんをチラリと見つめた。少しばかり意地悪し過ぎたかも知れないと反省する、ぎゅっと私の腰に腕を回した三日月さんは私のお腹に擦り寄り、涙目で伝えて来る。もう許して欲しい…そう小さな声でいった。よしよしと頭を撫でて謝罪する
「いいぞ、触ってよし…」
「ふふっ、ありがたき幸せに存じます…」
頭を撫でていた数分後、三日月さんは酒が回っていたのかそのまま寝てしまった。流石にこんな場所で休まれたら風邪を引いてしまうのではないだろうかと思う。しかし刀であり付喪神でもある彼等は風邪を引くのか?と考えるも放置しておく訳にもいかないので助けを呼び立ち上がろうとする。しかしがっちりと私を抱き締めて動けないようにしている彼に呆れてしまった。
「誰か助けはこないだろうか…」
「あるじさま?こんなことろでなにをされているんですか?」
「今剣くん!とてもいい所に来てくれました!」
とても不思議そうに見ていたが、このじじいさまをなんとかして欲しいと言えば「わかりました!ちょっとだけまっていてくださいね!」と嬉しそうに笑って走り去り人を呼んで行ってくれた。頼まれ事で嬉しかったのかニコニコとはっちゃけた笑顔がなんとも可愛らしいと小さく笑い小さな背中を見送った。
+++
「三日月さん酒に酔い潰れてしまいまして…」
「うむ、それで俺が呼ばれたという訳だな今剣よ!」
「はい!いわとおしはとーても、ちからもちですからね!すぐにあるじさまをたすけてあげますよ!」
岩融さんと今剣くんがいう。相変わらず三日月さんは私に引っ付いて離れる様子はない為、困ったなー…と苦笑いする。今剣くんは私の手を取り引っ張ろうとするが、身動きが取れず岩融さんは三日月さんを引き離そうとするも三日月さんの力がこもった。ちょっと待て、このじじいさま…まさかとは思うが起きてるんじゃないだろうか。どこからこんな力が出るの。というか苦しいんだけど、なんか良からぬモノが出る気がするんだけど。団子とかね!そう!大事な事だからもう一度いうけど団子とかね!
「ちょっ、まっ…くるしっ……ぅおお!?」
キャッ!とかそんな可愛らしい女の子の声が出ると思うてか。というか三日月さんを引き剥がした岩融さんは、なぜか私を横抱きではなく米俵のように軽々と担ぎ上げられていた。いや…なんてこったい。