第14章 溢れ出すeroticism
「お疲れさん」
そう言ってザップが、名前に水の入ったグラスを渡し
「オメェあのカクテル飲んで大丈夫だったのかよ」
『蒸発させたんだけど』
すこし、しんどそうに眉を寄せ
『それでもよっぽど強いのね、ちょっと痺れてる』
そういい、グーパーグーパーして見せる手は
動きが鈍く赤く火照っていた。
『スティーブンさん、これどれ位でひくの?』
潤んだ瞳で尋ねる名前に
「空気で吸い込む位なら、1.2時間で抜けるとは思うが」
「俺が、1発かましてやろうか?」
「ザップさん本当にクズですね」
「うるせぇよ童貞糸目」
そんな、ザップの言葉を流し
名前はそれじゃあと重い腰をあげる
スティーブンはふらつく名前の肩に
手をまわすと、いつもよりも熱をもっていた。
「このまま僕と名前は家に帰るよ」
そう2人に告げるスティーブンに
珍しくレオナルドが意見する
「あ、あの‥‥こんな状態ですし
事務所で薬が抜けるまで様子を見た方が‥‥」
「少年‥僕が信用ならないと?」
レオナルドに冷たい視線を向けるスティーブン
2人の間に入る様に、名前が割り込むと
『ありがとう、レオナルド』
大丈夫よ、といつもの様に頬に口付けてくる
名前のいつもより熱い唇に
レオナルドはそのまま名前を抱き寄せると
「僕が名前さんを、家に送り届けます」
はっきりとそういいスティーブンに視線を向ける
2人の間に流れる嫌な雰囲気をぶち壊す様に
レオナルドの腕から名前を引き寄せ
肩に担ぐと
「おし、帰るぞ」
唖然とする2人に背を向けザップが歩き出す
余程身体がしんどいのか文句も言わずに
米俵の様に担がれる名前をつれ
名前のマンションへの道を歩いていった。