第15章 green、green、green
「ストーーーップ!」
ブレーキと共にスティーブンが声をあげる。
「やるなら、事務所に着いてからにしてくれないかい」
スティーブンの言葉に外を見るともう本部の前に着いている
「いくら僕でも、運転している後ろでされちゃあたまったもんじゃないよ」
事故を起こしてもおこらないでくれよ?と呆れたように言う
スティーブンにクラウスは本日幾度目かの
「済まない」を呟くと
助かったとばかりに扉を開けて車を出る
「名前くん本当に大丈夫だから、
ありがとう」
言い逃げるようにその場を去る
クラウスに名前は小さくため息をつく
『あら、逃げられちゃった』
残念。とつまらなそうな顔をする名前に
スティーブンは目を向けると
「あんまり虐めてやらないでくれよ」
と、苦笑いを浮かべた。