第14章 溢れ出すeroticism
ソファに座りながらコーヒーを飲む
本部には、いつもの賑やかな声が響き
メンバーが揃っている
「おいレオ、さっきから何度も時計見て
何か用事あんのか?」
「や、名前さん今日出社するって言ってたんスけど‥‥」
ゲームに熱中していた、クラウスが顔をあげ
「名前君なら昼過ぎには出社すると思うよ
任務に必要な物を用意してもらっている」
「任務?」
聞いてねーぞと、ザップが声を上げると
「この薬の調査だよ」スティーブンが人差し指と中指に挟んだ
ピンクの錠剤が入った透明な袋を見せる
「それは?」
レオナルドが近づきながら袋のぞく
この情報を掴んできたのはチェインなのだろう
「媚薬よ」
ぶっきらぼうに言うと
「ぶっ飛ぶくらい依存性の強いやつ」
怒りと苛立ちを含んだ声で
これのせいで、何人もの女性がもう2度と
表には出れない状態になってる。
話を聞くと、それが某高級クラブで
ばら撒かれているらしい
「そのクラブで今夜上客ばかりの
仮面パーティが開かれる。
そんな場所で配られる心配は無いが
大元と資金源を掴んできて欲しいんだよ」
難しそうな顔で言うクラウスの肩へと
手を乗せるスティーブンが、言葉を続ける
「僕と、ザップ、少年は中に潜入
大丈夫だとは思うが、名前の護衛
チェインは、怪しい動きをするやつがいたら直ぐに知らせてくれ
ツェッド外で待機してもらえるかな?」
「了解」
そう答えるツェッドに、ザップは一言も二言も余計な事をいい
また事務所が騒がしくなる
「ところで、レオ君」
レオナルドにこそこそと話かけてき
「名前さんとは?」と聞いてくる
「あ、名前さんはですね‥‥‥」
レオナルドが説明しようとする言葉を
チェインが遮る言葉と共に
いつものピンヒールの音が聞こえてきた
「見たらわかるわ」