第13章 腹に思ふ
ザップの声であってもまるで目の前のものと話している様な
妙な感覚に名前が陥ると後ろからスティーブンの声がした。
「お初にお目に掛かります
斗流血法創始者、裸獣汁外衛賤厳殿」
その後のザップの散々な言われようと報われなさには
流石の名前も同情を見せた。
アンジェリカの電話自体がチェインによる自作自演であった事を
知り倒れ伏して泣くザップの頭を
しゃがんで撫でた名前に
ザップは少し顔を上げる。
「…なんだよ」
『お疲れ様』
「意味なかったけどな!同情すんな!」
名前へ悪態を付く
『そうだよね、あんなにおっ立てて期待してたんだもんね』
もう我慢できないという様に、笑い出す名前に
またがくりと力を落とし
「アンジェリカぁ…」
か細い声で呟く
『そんなに落ち込まないで?
ほら、今日一緒に飲みにいこうよ!』
名前の言葉に、飛び起き
「なんだやっと俺のモンになる気になったのか?!」
「シンで!」
それまで銀髪を優しく撫でていた指先はザップのでっぷりと前に出たお腹を抓る。
痛い痛いと言いながらも
好きな女に触れられるのは嬉しくてザップは目元を緩めてしまう。
『馬鹿ザップ
』
「うっせーよ馬鹿名前」
そんな2人をみてスティーブンが
「名前そんな御し難い人間のクズと飲みに行くなら、
僕とディナーでもどう?」
そう言いながら、クイと顎を動かし
またしてもおったてている、ザップに冷ややかな視線を向ける
『あー!私みたい映画があったんです』
花が咲いた様に笑い
ザップの盛り上がる下半身を踏みつけスティーブンへと
駆け寄った。