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【血界戦線】SOAK IN BLOOD

第10章 画面向こうの女はむせ返るほど甘い愛を囁いた




『お先ありがとうございましたー』


いつものピッタリとしたスーツとは対照的な
肌触りのよさそうなゆったりとした
ルームウェアを身につけ

綺麗な長い髪を上に纏め
少し上気した赤い顔でシアタールームへと
やってくる名前
一歩踏み入れるとキョロキョロと辺りを見回し
ローソファーへと膝を落とし
並んでいるクッションを1つ抱え込む


『思った通り!こんな素敵な場所で映画を見れるなんて
羨ましいです』

レオが居候してた時は小さなプレーヤーを
ソファで並んでみてたんですよ、そう言って思い出したかの様に
くすくすと笑う名前が実は映画好きだった事を
初めて知る


「ここの部屋も好きに使ってくれて構わないよ」


家の物を好きに使っていい代わりに
名前へのスキンシップを許して欲しいと言えば
二つ返事で容認された。

『そんな事でいいんですか?』
悪戯っぽく笑う名前の柔らかな頬に口付けをし

「十分だよ」と言えば
あ、でもと名前は自身のふっくらとした唇に
人差し指を当て
『ここは、まだ駄目ですよ』
小悪魔の様に甘く囁き
余程気に入ったのかまた、クッションを抱え
猫の様にコロリと絨毯に転がった。


「じゃあ、僕もシャワーを浴びてくるよ」


『はーい』




昂りを洗い流すかの様に
シャワーのバルブを大きく捻る


仕事の時は見せない、年相応の可愛らしい反応を
見せたかと思えば
お風呂上がりの彼女は、上気した頬に
ルージュとは違う、淡く色づいた唇
透明感のある白い肌は
ほんのり桃色に色づき
まとめ上げた柔らかな髪
露わになった細いうなじ、なだらかな肩の曲線。


それだけでこんなにも自身のを昂ぶらせる
名前とのセックスはさぞいいものだろう。


「名前‥‥」



自分の口から出た劣情を抱いた声に
顔をあげシャワーをかぶる


女性を喜ばせるのは得意なはずだ。
情報を聞き出す為とは言っても、
甘い言葉も優しい嘘も、
心も身体もとろける様な快感で包み込む事も。

なのにまるで、10代のそれの様に反応した身体に
馬鹿馬鹿しいと自分に言い聞かせる様に
シャワーのバルブを閉め
濡れて重量を増した前髪をかきあげながら
ふうと、ひとつ息をつき脱衣所へ出た。


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