第9章 相互作用のデメリット
大きな音と共に大爆発が起こり
あたり一面が炎に包まれる
『アンタ何したのよ?!』
「〝何〟したのはオメェだろ」
とりあえず、あの少女を連れてすぐにここを出るわよ
名前は軽々と少女を抱えピンヒールで走る。
建物を出ると、あたりにはぞろぞろと人が集まってきており
あんな大きな音がしたのだから当たり前だろう
『あんだけ内密にって言われてたのに‥‥
ねえ、今日のラッキーアイテムなんだった?!』
「知らねーよ」
やっぱり見てないからだ
小さく呟くと名前は溜息を吐いた。
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お腹が鳴り時計を見上げると
短い針がちょうど10時をさしていた
「どーりで、腹減ったわけだ」
痺れる腕を投げ出しソファにもたれかかる
コトリと目の前に置かれた香りのいいコーヒーと
隣からふわりと香る甘い香り
「どーも」
お礼を言いコーヒーに手をつけると
『いーえ』
少し低めの耳障りのいい声が返ってくる
事務所にかえり、番頭にこっぴどくお叱りを受け
こんな時間まで2人大量の始末書にペンを走らせていた
『私の一ヶ月がパーよ
どこぞやのウジモンキーのお陰で』
隣から聞こえる悪態に、今日1日を思い出し
「どーも、相性がいいみたいじゃねえか」
ジッポで火をつけて闘うザップの血法と
起爆して闘う名前の血焔術相性がいいのは当たり前だろう
『今回はそれが原因でこの始末書の量なんだけどね』
ヒラヒラと始末書をふり、机に放り投げ
ソファに深く座り直す
タイトドレスから、スーツに着替えた名前も
やはり魅力的で自身の身体が高まっていくのが分かる
吸い寄せられるように隣に座る名前を押し倒し
自分の腕の下にいる彼女の顔にそっと手を触れる
想像していた通り柔らかな白い肌の感触を楽しんでいると
『頭ん中はモンキーだと思ってたけど、
下半身もモンキーだったのね』
怪訝そうな顔をして笑う彼女にさえ
劣情を抱く
「あんなに相性が良かったんだ、
きっと身体の相性も最高にいいと思うぜ」
一緒に気持ちよくなろうや。彼女の耳元に唇を寄せ
甘く呟くと
こういう言い方をすれば
いくらでもオンナを抱けたのであろう
慣れたような甘いザップの仕草に
名前は、何も言葉を発さない