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【血界戦線】SOAK IN BLOOD

第9章 相互作用のデメリット




ライブラにきて初めての任務は
至極胸糞悪いものだった


人身売買の現場とは聞いていたが
人を人とも思わないそいつらの、ニヤけた笑顔に
潜入捜査で先に会場にいるらしき名前という
まだ会ったことの無いメンバーの事など
すっかり頭から抜けてしまっていた。



「飾るもよし、水から出して
いただければいつでも動き出します」

試しにと、水槽の下を開き
中の水と共に、ズルリと中のソレが流れ落ちてくる

ピクリと動き

ゆっくりと腕を動かし上半身を起こす
キョロキョロと辺りを見渡し
自分の置かれている状況が理解できないのか
驚きと不安に表情が歪む

まだ、10代そこそこ位の少女の華奢すぎる腕を
無理やり持ち上げ立ち上がらせる


口々に落札価格を上げる声が上がる

緋色の目からはポロポロの大粒の涙が溢れた
その時、ステージ上の男が少女の頬を叩き
「涙を流しては賞品が見えにくくなります」
声を荒げ怒鳴りつける。
カッと自分の頭に血が昇るのを感じ

「斗流血法」

そいつらを丸ごと雁字搦めにする
1人逃したのか
カツカツとピンヒールがなる方へ
小さい舌打ちをしながら視線を向ける


『ザップ・レンフロ
あんた私を殺す気だったの?』


「ーーー苗字名前」


ボスからあらかじめ見せてもらった写真を見て
そこそこに綺麗な女だとは思った。

だが、目の前に立つ名前は、
赤いピンヒールに赤いタイトドレスに身を包み
そこからスラリと伸びる手足は白く
服の上からでもよだれが出そうな
豊満で形のいい胸に官能的なウエストライン

彼女はブラウンの髪を左にかき揚げ
眉間にしわを寄せて不機嫌そうな顔をしている


『上から下まで舐める様に見て
品定めでもしてるのかしらこの糞モンキー』

蔑むように悪態をつく唇も力の入った目元に並ぶ泣き黒子にも
今の自分には情欲を掻き立てるソレでしかない


「うるせぇ美人女!」


あら、ありがとう。名前は、そう言うと
ピンヒールを鳴らしザップの前に出る

『こいつらは私が消すって決めてたの下がっててもらえる?』

名前は振り向かず
カツンと、赤いピンヒールで床を叩きつける


『カンブルクルス血焔術
ーーーflamma mare』

名前の艶のある甘い声と共に


『っ!!』

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