第7章 世界と世界のゲーム
「レオナルドくん 今‥なんと?
赤く輝く羽のような光といったかね?」
低く重い声色で尋ねるクラウスに
こんな色だったか?とスティーブンが赤色のしおりをみせる
「あ、そうです間違いないその色です」
「‥‥なんすか?何が起こってるんすか?」
わからないという顔のレオに
「教えてやろうしょうもなき民よ」
何そのざっくりとした王様キャラ 山門ホーブレか!
「お前が見たのは吸血鬼だ」
話を聞くとどうやらこの、僕のこの眼が
人間と見分けのつかぬ高位の不死者の姿を、吸血鬼を映し出したらしい。
それにしてもこの空気‥‥
やっぱりみんなそういうのとも渡り合ってきてるって事かな
「ふうん やっぱり長老級の棲家かあ
外のゴミクズ共とはわけが違うわね」
「彼のおかげでこれから得られる情報は質も量も跳ね上がるだろう
スペシャリストの出番だ」
「‥‥呼ぶの?」
「当然じゃないか」
「・・・呼ばなくてもいらっしゃると思うし
この事態にあの人抜きの方が考えられん」
〈あの人〉の話が出てからみんなの表情が変わる一気に
変わる
「‥‥ザップさんあの人って‥?」
返事のない彼を見上げると
「なんなんですかその表情
一体どんな人がくるっていうんすか」
彼の見たことのない顔に驚きをあげる
「名前さんーー」
名前に助けを求めるとザップの顔を見て顔を震わせている
「ぶっさ」
チェインがぼそりと呟くと
我慢の限界を越えたのか、ケラケラと名前が笑い出す
『やめてよ、真剣な話してたのに私空気読めないみたいじゃない』
笑い上戸なのか、それでも彼女の笑いは止まらない
そんな名前をみて、少しみんなの雰囲気も柔らかくなる
「とりあえず、今日はせっかくみんな集まれたんだし
飲みなおそうか」
スティーブンの一言にもう一度グラスを持ち直し
乾杯をする。