第7章 世界と世界のゲーム
セントーニオンスクエア消失後駅
4番の列車はシギュアラフ奈落川行き
同意旅券のない方は
中央2番改札を通行できません
今週の生還率は12%です
駅のアナウンスを聞きながら改札をくぐる
今日は、ライブラの飲み会に行くために
名前と電車に乗り込んでいる
『地下鉄なんて久しぶりだわ』
僕の腕を掴みながらいつもよりますテンションの高い声を上げる
「捕まってないと揺れますよ?」
はしゃぐ名前に手すりを持つように促すと
嫌よ!誰が触ったかわからないじゃないと、
僕の腕に手をからます
「だから、いつもみたいにタクシーで行けばよかったじゃないですか」
『それもいやよ!こんな時じゃないとレオと2人になれないもの
』
最近本当にレオったら冷たいんじゃないと、拗ねた顔をする名前を電車の窓越しにチラリとみつめる
その言葉に、素直に僕もですよと返せたら
何か変わるのだろうか、そんなことを考えながら
窓ごしに通り過ぎるホームを見つめ停車駅まで時間を潰す
「すげぇ」
真っ赤に光るその光景に目を奪われる
綺麗だなあ‥‥
じっと見つめていると
『レオ次だよ』
かけられた声にハッとなり、わかりました。と返事をする
電車から降りても腕を絡ましたままの名前は
『今日はレオがエスコートしてくれるんでしょ?』
と、悪戯な笑顔で微笑む
「今日だけっすからね」と、素直じゃない返事を返すと
嬉しそうな顔をする名前をみて、
居候していた頃のたわいない会話を思い出し
変わらない関係に安堵するのだった。
『なんか、懐かしくなっちゃうね
レオがうちにいた時は毎日楽しかったな〜』
懐かしそうに呟くと名前の横顔を
びっくりしたような顔で見る
『あら、もしかしてレオも思い出してくれてた?』
ふふふと、笑う名前に照れ臭くとも嬉しい気持ちになる
『じゃあ、きょうは久しぶりに泊まりにきちゃう?』
レオをお持ち帰りしちゃおうかしら♡と
跳ねるようにピンヒールを鳴らし
楽しそうに笑う名前に
「馬鹿なこと言わないでくださいー」
否定の言葉を投げながら、
今日は結局泊まることなにるんだろうなと
苦笑いが溢れる。
『じゃあ、レオ帰りもエスコートよろしくね♩』