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【血界戦線】SOAK IN BLOOD

第6章 型にはまった感情





「もーザップ遅かったじゃない」



自宅の扉を開けると
嗅ぎ慣れた甘ったるい女もんの香水の香りと
甘ったるく自分を求める声が聞こえる


一人の女がもう、ベットで準備満タンです
と言わんばかりの格好でタバコをふかしている

部屋に入って真っ直ぐに女のいるベッドへ
服を脱ぎながら向かう

女を組み敷き、先ほどの不完全燃焼な名前との
行為で高まった己をぶつける為に
女の胸元にかおを埋める、まだ目を瞑ると名前の
甘い吐息が聞こえてくる気がする
それだけで元気になる下半身に自分でも呆れながら

顔を上げ今組み敷いている女の顔をみれば
少し驚いた顔をして拳を振り上げる

バシンといい音をさせザップの頬に手のひらを
叩きつける


「ってーな、何すんだよ」

今日はこんな事ばっかりだ、と今叩かれたばかりの頬をさする

「うるさい!浮気者!」

そう怒鳴りつけると、服もろくに着ないままバタバタと荷物を持って出て行く


「はー‥‥なんの事だよ」

浮気も何も、何にもさせてもらえなかったよ
と自分の言葉に虚しさを感じる


あーと頭を掻きとりあえず身体だけでも
さっぱりさせようとシャワーへと向かう

シャワーを浴びながら目の前の鏡に目をやると
首すじに赤い跡がある
近くでみてみると、綺麗に並んだ歯型がひとつ

ふと、事務所での事を思いだす
最後の名前の色香のある笑顔を思い出し
そっと鏡に映る歯形をなぞる


「ぁ゛ーー」


やっぱたまんねえー、馬鹿正直に高まる胸に
頭をかかえるのだった。

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