第6章 型にはまった感情
組み敷いた名前の白く柔らかな頬を撫で
「お前今どんな顔してるかしってるか?」
銀髪の間から艶いた目が名前を見つめている。
「スカーフェイスさんの香水の匂いもするが、
何だ満足させてもらえなかったのか?」
まだこんな顔して、と甘く呟くと
名前の足の間に膝を割り込ませる
『スティーブンさんが、私なんて相手にするわけないでしょ!
そこをどいてくれるかしら?』
車での自分の表情を思い出し
『仕事して忘れようと思ってたのに
何でこんな時に限っているのよ、ウンコ猿』
「仕事でも1番の相棒じゃねーか
きっと身体の相性も最高だぜ?」
彼女の太ももからゆっくりと上に向かって撫で上げる
いままで何度も彼女を思い
同じブラウンの髪をした女を一体何人抱いただろう
シャツに手を忍ばすと
仕事柄か柔らかながらも、普通の女性より
も引き締まったウエスト吸い付くようなキメの細かい肌に
手を這わす
羞恥心のない彼女がいつも惜しげもなく
見せていた豊満な胸へ
ゆっくりと上っていくと
『ここまでよ、ウジモンキー!』
彼女の声とともに、股間部に強烈な痛みが走る
声にならない呻き声を上げ倒れるザップを見下ろしながら
『セックスがしたいなら他の女を捕まえて』
ソファに座りなおし、報告書をファイルに綴じる。
まだ痛そうにうずくまるザップに
『そんなに、痛いの?』
「ーーーったりめぇだろ」
『治療だったらしてあげてもいいわ』
「え」
『痛いって言うなら治してあげてもいいわって言ってるんだけど』
自分が蹴り上げた癖にか?と聞けば、
これでプラマイゼロでしょと艶いた笑みを返す。