第5章 艶然とした狂気
しばらくしてチェインの用意した新しいスーツに身を包み
ソファでコーヒーを飲む名前の隣に腰掛ける
『レオはシャワー浴びないでいいの?汚れなかった?』
くしゃくしゃと子供にする様に頭を撫でる名前の手を掴み
下ろすと
「僕にもう少し名前さんの事を教えてください」
彼女を見つめ、掴んでいる手に力を入れる
『あら、毎晩あんなにいろーんな事教えてあげてるじゃない
まだ、足りないの?結構レオって』
欲張りさんなのね。と僕の頬に手をそわし息がかかる程の
距離で甘く呟く。
「少年、それは聞き捨てならないな」
「おいレオ今夜は俺に変われ
手取り足取り教えてくれ」
その言葉を聞き、周りにいるメンバーが口々に
からかってくる。
「誤解される様ないい方やめてくださいよ〜!」
焦った様に否定し頭を項垂れながら
「僕は何も知りませんよ」
消え入りそうな声で呟くレオにクラウスが、
彼もれっきとしたメンバーなのだからと
名前に話してやれと言わんばかりの目線を送る
『仕方ないなー』
気怠そうな返事と共に僕の方に身体を向けると
まずわ・・・と、考える様に話し出す
『私が使うのはカルブンクルス血焔術と行って
血液が起爆剤の様になってるの
今日レオが見たのがソレね。
見ての通り、接近戦でしか力を発揮できないから
私は潜入や、たいまん向け
後は、、、
起爆しなかったら、活性剤の様な役割もする事くらいかな?
私はそんなに派手な力じゃ無いから』
一気に喋って喉が渇いちゃったわと、いつもの砕けた笑顔で笑う
「ありがとうございます。
あ、あの活性剤?ってゆうのはどんな、、、」
「それはだな、少年」
近くで一緒にコーヒーを飲んでいたスティーブンさんが
自分が説明しようと声を上げると
『レオ今日の任務で腕擦りむいてたわよね?見せてくれる?』
「おい、名前」
『百聞は一見にしかずよ』
レオは腕の傷をだしおずおずと前に差し出す
「え、僕爆破されたりしませんよね?!」
不安げで見てくるレオに、不敵な笑みを漏らしながら
ぐいっと胸ぐらを引き寄せ
唇が触れるか触れないかの距離で
『どっかーんよ』と甘く呟かれた言葉にぎゅっと目を瞑る
あ、余計な詮索をした
ミシューラ僕は今日消されます