第5章 艶然とした狂気
『カルブンクルス血焔術』
『Exitium sanguis〈破壊の血〉』
彼女の劣情を抱かせる様な声とともに、ポコポコと犯人の身体が膨れ
爆発音と共に視界が赤く染まる
少し離れた僕の足元まで、赤い雫が飛んでくる
それを避けようと2、3歩下がり前に視線を戻すと
真っ赤に染まった名前と目があう
「だ、大丈夫ですか?」
『大丈夫じゃないよ〜』
やだ、もー汚いと文句を言いながら
レオはかかってないー?といつものトーンでいう名前の姿に
少しの狂気と共に欲情をかきたたされる僕は
もう完璧に裏の世界に染まってしまったのかもしれない。
名前は、慣れた様に任務の完了とギルベルトさんに迎えを連絡し
事務所でシャワーを浴びる
事務所に入ると、他のメンバーも揃っており
唯一姿の見えないチェインは、名前の着替えを揃えている様だ
「レオナルド君大丈夫だったか?」
優しいボスの気遣いに自然と口角があがる
「ありがとうございます!
僕は見ているだけだったので」
ビックリはしましたけど、、、と付け加えると
「名前があんなに汚れて帰ってくるのは久しぶりだね」
「レオナルド君に少し気を使ったという事かな」
クラウスさんとスティーブンさんの困った様な笑顔で話す内容に
首を傾げていると
「名前の血焔術は、触れたものを爆発させる技なんだよ
いつもは、体内に直接入れて血液を蒸発させてから爆発させてるみたいだが
さすがに下着見ただけで慌てふためくお子様には、ディープすぎて見せられなかったんだろーよ」
ま、あの様子じゃどっちもトラウマ級のもん見せられたんだろうけどよ
タバコを咥えながらザップが名前さんの事を話してくれる。
「だから、俺が1番相性いいって言ったのによ」
ちぇーっと唇を尖らして机の上に乱雑に足をあげる
『別にレオが居たからじゃないわ
ただ、、、いけすかない男だったからよ』
私だって選ぶ権利はあるのよ
まだ乾ききってない髪から雫をおとしながら
タオルを巻いた状態でソファにすわる
いつもの様にクラウスさんが
あわあわと焦りながら
レディがはしたない、と名前に注意するが
『だってチェイン遅いんだもの』
とヘラヘラした笑顔でいつもの様に軽く流す