第15章 green、green、green
ライブラ事務所
「5ヶ月前のキャバレーでの小競り合い以来
九頭見会と滑塵組の緊張は高まるばかりだ」
スクリーンポインターで、指示棒を握り
淡々と説明をするスティーブンに
「HLまで来て日本のヤクザが何やってるんすか」
ザップがつまらなそうな顔をして問う。
それを聞き我をもとツェッドが
「組織犯罪者集団同士の勢力抗争なんて
NFLの試合数より多いんですよ
僕らの仕事とは思えないですね」と、文句を口にする。
まあ、聞け。とスティーブンのワントーン低い声に
場が静まる。
「巨大組織九頭見会がなぜ滑塵組如きに手をこまねいているか
弱小組織滑塵組が何故こうも強気に出られるか
その答はどこにあるとおもう?」
そういうと、スクリーンの画面が一瞬にして変わり
暗がりの中緑の目をした怪物
サイボーグ極道や重武装任侠ですら
手に負えない暴力的存在が映し出される
「こいつの正体を何としても探らにゃならん
もし〈外〉に流出できる類のものなら
世界の戦争の形が変わってしまうからな」
名前は、少しでも情報を集めるためスティーブンと
共に行動する。
「名前ちょっと一緒に外へ出てくれないか?」
『了解です。』