第8章 再会、そして
ゴンの身体が吹き飛ばされ、
ルカ達3人はそれぞれ臨戦態勢をとった。
「ルカ、クラピカ、レオリオ!」
武器を構える仲間を制止したのは、殴られたゴン自身だ。
「手を出しちゃダメだよ。俺に任せて」
ルカは一瞬だけ、燕尾服の少女に目線をやった。
(………ゴン相手に念を使う様子はない、か)
それだけ確かめると、身体から力を抜く。
ここはゴンに任せて大丈夫だろう。
「俺達、君と争う気は全然ないんだ。
キルアに会いたいだけだから」
殴られた顔面の血を拭いながら、ゴンが身体を起こす。同時に少女を説得しようとするが……
「理由が何であれ関係ないの。
私は雇い主の命令に従うだけよ」
……取り付く島もない。
ゴンは再び境界線に向けて、少女の元へ歩みを進めていく。
ザッ、ザッ、ザッ……
ザッ!
バキャ!!
先程とまったく同じタイミングで、ゴンが吹き飛ばされる。そして、ゴンは起き上がり、また歩いていく。
ザッ、ザッ、ザッ……
(なるほど、根くらべか)
ザッ!
ドカッ
「………」
ルカは残りの2人、クラピカ、レオリオと無言で目配せを交わした。
(根くらべなら………
ゴンに任せよう)
ザッ、ザッ、ザッ……