第6章 最終試験
「ねぇ、ルカ◆
あれ、本気で戦ってみないかい?」
トーナメント表を示しながら、ヒソカが誘う。このままいけば、次の第2試合はヒソカとルカが戦うことになっている。
あのトーナメント表が発表されてから、奇術師はことのほか上機嫌だ。
「もちろん念はなしで、さ♠
それならイイだろう?」
「……いいよ。でも知らんふりはしてね」
「了解♥」
にんまり、と相手がルカでなければ逃げ出したくなるような笑みを浮かべ、ヒソカはその場を離れていった。
「アホかーーーーー!!!」
3時間以上に及んだ第1試合は、ハンゾーの怒号で幕を下ろした。
結局「まいった」と言ったのはハンゾーだった。
「気に入っちまったんだ、アイツが」
本気で責め続けた忍にそう言わせてしまうのは……ゴンの才能かも知れない。
ルカは長時間に渡る一方的な試合にも動じず、気絶して運ばれていくゴンを見送った。
そんなルカに、レオリオが横から噛みつく。
「お前もずいぶん冷たいもんだな!
ゴンがあれだけボコボコにされたっつーのによォ」
「止めないか、レオリオ」
彼女はすぐ次の試合を控えているのだから、とすかさずクラピカが止めに入る。
「いーや、やめないね!
俺やクラピカの方がよっぽど……」
「レオリオ!」
『第2試合を開始します!
44番ヒソカ、4番ルカ、両者前へ!!』
立会人に呼ばれ、先にヒソカが中央に進む。
それを横目で見ながら、気まずそうに舌打ちをするレオリオに、ルカが身体を向けた。
「ごめんだけど、心配なんかしないよ?
『まいった』なんてゴンは言わない、つまりゴンは負けないし、ハンゾーは『まいった』を言わない彼を殺したりなんかしないもん」
(は?)
ゴンはともかく、ハンゾーへの言及にレオリオとクラピカ2人が瞬きすると、向こうの方から焦った声が飛んできた。
「うっせーな!
ゴチャゴチャ言ってねーでさっさと戦れよっ!」
声の主は、腕組みで仁王立ちするも、顔を赤らめているハンゾーである。
それを見て、ルカは笑顔をこぼす。
「ほらね、
心配する必要なんかなかったってコト!」