第5章 四次試験と面談
ゴオォォン、ゴオォォ…ン
ハンター協会の飛行船が受験生を運ぶ。
窓外は今までの景観から一変し、高層ビルが建ち並ぶ街の中心部だ。
「これより会長が面談を行います。
番号を呼ばれた方は、2階第1応接室までお越しください」
4次試験の合格者10名を乗せた飛行船に、面談を告げるアナウンスが響いた。
「キルアのせいで大変だったんだよ」とキルア相手に4次試験の文句を言っていたルカも、あらぬ文句に「知らるかよ!さっさと声掛けりゃよかったじゃんか!」と対抗しているキルアも、「なんでお前らはそんなに元気なんだよ!うるせェ!」と2人の間に入ったレオリオも、そのアナウンスを聞いて首をかしげる。
「「「面談?(試験じゃなくて?)」」」
「ほっほっほ!
いやな、最終試験前に参考にさせてもらおうと思っての。」
応接室に通されたルカは、ネテロの前に設えた座布団にちょんと腰をおろし、告げられた前置きに少しだけ気を緩めた。
(よかった……
こんな試験は得意じゃないもんね)
「ではまず、ハンターになりたいと思ったのは何故かな?」
「んと、特別ハンターになりたい訳じゃなくて、どうしても『一人前の証』が欲しいの」
「ほぉ……そうじゃな。
ハンター証を持っているとなれば、下手な大人よりはよっぽど一人前と言えるかも知れんな」
「だよね!」
我が意を得たり!とルカは拳を握る。
「うむ。では次の質問じゃ。
受験生の中で一番注目しているのは誰かな?」
「う~ん……99番と405番!
同い年だし、一緒にいてワクワクする。次に何をするか読めなくて」
ネテロさんもそう思わない?あの2人!
そう言って、身を乗り出すルカはキラキラと輝いている。存外に微笑ましい様子にネテロの表情もフッと緩む。
「そうじゃな……
では、一番戦いたくないのは誰じゃ?」
「それは44番と301番!
あの2人は念能力者だから、戦うにはリスクが大き過ぎる」
おまけに性質も悪いし、と続けたルカは悪戯っ子の顔で、シーッと口元に指を持っていく。
そして、クスクスッと面白そうに笑った。
「ふむ。では、最後の質問じゃ。
……お主、念はどこで習得した?」