第5章 四次試験と面談
「ほ~ら、あった♪」
「な、な、な……」
満面の笑みを浮かべる少女の手には「197」の数字が見えた。
まったくの別方向にキルアが投げ放ったプレートを、ルカが見つけてみせたのだ。
ハンゾーは驚きのあまり二の句が次げず、ルカを指差しながらフルフルと身体を震わせるばかり。
そんな様子は無視して、ルカは手首のスナップだけでプレートを投げ渡す。
ヒュッ!
「おい!」
「探し出した方法は企業秘密だけど、ちゃんと本物だよ?」
指の先でプレートを受け取ったものの、ハンゾーはまだ半信半疑から抜け出せないようだ。
だが、今ハンゾーが手にしているのは間違いなく本物のプレートだ。
アモリが持っていて、キルアが奪って、思いっきり投げ放ったプレートに違いない。
ーーー・・・そのプレートから微かに感じられるオーラ
放った者の気質を反映するように
気高く銀色に、いささか神経質に輝くそれにーーー・・・
ルカは目を細めた。
今にも消えてしまいそうな、そのオーラがここまで導いてくれたのだ。
キルアの精孔はまだ開いていない。
つまり念は使えない状態だが、感情が昂ったり、力を込めたりする時に無意識にオーラを纏っている。
ルカはこのオーラの残滓を道しるべに、197番のプレートを探し出したのだ。
念を知る者であれば難しいハントではない。
(念を知らないと分からない理屈だし、
教えてはあげられないんだけど)
そんなことを考えていると、ルカに向けてプレートが投げつけられる。
「!」
パシ!
片手で受けたプレートに書かれた数字は、「198」。
「197番、確かに本物だ。
ーー・・・持ってけ、198番」
「わ、ありがと!」
「いやいや、こっちこそ助かったぜ?
あのままだったら、3点分は狩らなきゃならんかった」
頭に手をやりながら、「ハハハ」と乾いた笑いを響かせる。
「ね~、間抜けだよね」
「うっせェ!」
「じゃあ、タイムアップまで遊ぼうよ!」
「はい?」
「暇でしょ?鬼ごっこしたい!」
「なッ………!」
じゃんけんで鬼を決めようとせがむルカ相手に、ハンゾーの受難は4次試験終了まで続いたとか(笑)