第5章 四次試験と面談
ヒュ…ッ、ヒュッ、ヒュ
ギュンギュン飛んでいくプレートを追って、ルカは高速で移動する。下草が長く足場が悪いので、枝から枝へと飛びながら追いすがる。
常人には、その影すら捉えることは難しいだろう。
もう1段速度を上げようとした、
その時ーー・・・
「!!」
人の気配を感じ、ルカは傍らの巨木に身を寄せた。
プレートに気を取られてはいたが、周囲への警戒を怠ったわけではないのに。
思わず眉根を歪ませ、下唇を噛む。
(しくじった……?
でも、「絶」してるから
相手は私に気付いてない可能性が高い)
ピッ
「!」
身を隠しながらも目だけで追っていたプレートが、その軌道から姿を消した。
森から飛び出した黒い影とプレートが交差した一瞬だった。
ザッ!
黒い影が着地する。
「ふ~っ……
まさかあの小僧が片付けてくれるとは思わなかったが、おかげで楽にプレートを手に……」
ルカが追ってきたプレートを手にしたのは、ジャポンの忍者装束に身を包んだ294番ハンゾーだった。
(なるほど、忍者さんか)
ルカは記憶の中にある彼の情報を引っ張り出すと同時に、「気配を消して仕事をさせたら右に出る者はない」とノブナガが忍者を評していたコトを思い出す。
一瞬、ヒソカかイルミがちょっかい出してきたのかも、と肝を冷やしたが杞憂だったようだ。
(彼は特に気配を感じさせないから………
って、アレ?
でも何で198番のプレートを?)
198番は私のターゲットなのに?
???
疑問符を飛ばしながらハンゾーを見ると・・・
そこには、
何かに打ちのめされたハンゾーが両膝をついて項垂れていた。