第5章 四次試験と面談
「続いて2番の方、スタート!」
4次試験会場であるゼビル島に着岸した船からは、3次試験の通過時間が早い人から入島が許される。
1番のヒソカに続いて、2番目はルカである。
トントントン、と足取りも軽く島に降り立った彼女はくるりと船に向きなおった。
腰までまっすぐ伸びた黒髪とジャンパースカートの裾が、その動きを追ってふわりと円を描く。
どうかしたのか?と案内人が訝る前に、ルカが胸いっぱいに息を吸い込んだ。
すうぅー・・・っ
「ゴン、キルア、クラピカ、レオリオ!!
私のターゲットは皆じゃないから!
がんばろうね~っ!!」
「「「「・・・・・・」」」」
船に残る受験生が呆気に取られる中、
ルカはぶんぶんと大きく手を振って森の奥に消えて行った。
無邪気を絵に描いたような、キレイな笑顔を残して。
「あいつ、大丈夫か?」
「・・・・・」
呆れを隠さないレオリオの言葉に「処置なし」と頭を垂れたのはクラピカである。
「よかったね!
俺達ルカのターゲットじゃないって」
「………お前もあいつもさぁ」
見えなくなったルカに向かって手を振り返しているゴンに、船の縁に頬杖をついたキルアが「……緊張感、続かねぇのな」と苦言を呈す。
「え~?」と聞き返してくるゴンは、自身のターゲットがあの奇術師だと忘れてしまったかのようだった。
『狩るものと狩られるもの』
さぁ・・・
狩り(ハント)の始まりだーーー・・・