第4章 三次試験
・・・ストッ
必要最小限の着地音とともに、体勢を崩すことなくその部屋に降り立ったのは・・・ルカ1人だけである。
皆で選んだ扉、そのいくつかは罠だろうと予想したのは誰だったか。
ルカの扉は果たして「当たり」か否か。
(皆、大丈夫かな・・・)
自分以外の4人が同じ部屋に降りているなど夢にも思わないルカだったが、彼らの心配はしないことにした。
(人の心配は自分の心配してから、だよね)
そう己に言い聞かせながら、ルカは正面に見えているこの部屋の先客に意識を集中させる。
気配を消すでもなく、無造作にしゃがみこんでいる人物がいる。
いきなり攻撃されることも想定していたので、驚きはしなかったが……その人物からのアクションは期待できないと踏み、思いきってルカから声をかけた。
「…ええと、こんにちは。301番さん?」
「カタカタカタ」
返事ともつかぬ音を立て、301番の番号札を付けた異様な風体の男は、スッと腕をあげる。
その指は壁に刻み込まれた文言を示していた。
『 "協力する2人の道"
この道を選んだ2人は、ゴールまでの道を協力して乗り越えなければならない』