第4章 三次試験
ザッ、ドカ!
「「「「 ?! 」」」」
扉から無事着地をきめたゴン、キルア、クラピカと・・・無事ではないが、何とか着地したレオリオは顔を見合わせる。
彼らの選んだ扉は、全て同じ部屋に繋がっていたのである。
「くそ~!
どの扉を選んでも同じ部屋に降りるようになってやがったのかよ」
「短い別れだったな」
「まったく」
ついさっき別れを告げあったばかりのメンバーが揃っているのだ、皆、毒気を抜かれた顔をしている。
文句を連ねるレオリオに珍しくクラピカが同調した、その時ーーー
ゴンが高い声をあげた。
「ルカがいない!!」
「!!」
「なに?」
「ルカ?!」
ゴンの声に弾かれるようにして、皆辺りを見回すが、狭い部屋に4人以外の人間は認められない。
一緒に降りた5人のうち、ルカだけがいないのだ。
・・・それぞれの脳裏に最悪のシナリオが浮かぶ。
(ルカの選んだ扉だけが罠だったとしたら?)
「くそ!マジかよ。あいつだけ・・・」
「大丈夫!!」
舌打ちと共に、思わず不吉なことを口にしようとしたレオリオの言葉を封じたのは、ゴンだ。
「ルカはきっと大丈夫だよ!
こんなところで失格になったりしないよ。
キルアもそう思うでしょ?」
「・・・まぁな、
そんなタマじゃなさそうだしな」
「うむ。
レオリオより彼女の方がずっと頼りになる」
「クラピカ、てめぇ!」
ルカを褒める一方で、レオリオを思い切り落としてみせたクラピカのセリフに、うんうんと頷きかけて、ゴンは明るい声を出す。
「もしかしたら、ルカは別ルートで進んでいるかも知れない。
俺達は俺達に出来ることをしようよ!」
「・・・だな」
1人の少女を思いつつ、ゴン達4人は改めて気を引き締めてトリックタワー攻略を誓った。