第3章 二次試験と飛行船
上機嫌のままに、ルカは先に出ていったキルアを探そうと船内を歩いていた。
最後の姿が、ちょっと気になっているのだ。
しかし、お目当ての銀髪を探し当てる前に、
肩を並べて休んでいるらしいクラピカとレオリオを発見した。
起こしたら悪いかな、と踵を返そうとしたとき・・・
ぱち、とはっきり開かれた双眸が見えた。
クラピカだ。
ルカは寝入ったままのレオリオを起こさないよう気遣いながら、クラピカのすぐ隣にまわる。
「ごめんね、クラピカ。起こしちゃった?」
「いや。
ルカはまだ休んでいなかったのか」
「探検のあと、すごい人にからまれちゃって。大変だったの」
「からまれ・・・?
他の2人は無事なのか?」
「無事は無事なんだけど」
ルカはかいつまんでネテロとのことを説明する。
かくかく、しかじか。
「なるほど・・・からまれた、だな」
「そうなの。
それで、キルアを探してたんだけど・・・
クラピカ知ってる?」
「いや、こちらには来ていない。
だが・・・キルアも今は心中穏やかではないだろう。
1人にしてやっても良いと思うが」
一瞬、きょとんとしたルカだったが
すぐに笑顔を見せる。
「それもそうだね!
それじゃ、隣で休んでもいい?」
「ああ、このイビキが苦でなければな」
すぐ横でぐ~ぐ~やっているレオリオを、げんなりした顔で指差すクラピカに、ルカもプッと吹き出してしまう。
大丈夫、と言いながら壁際に重ねてある毛布を拝借し、ごそごそ寝やすい格好をつくった。