第3章 二次試験と飛行船
・・・ぱぁぁんっ!
ルカのいきなりの攻勢に
ゴンが驚きの声をあげたのと、張り手のような炸裂音が響いたのは・・・ほぼ同時だった。
「ほっほっほっほ!なかなかやりおるの~」
「う~ん、やっぱり無理か~」
気付くと、ネテロとルカの立ち位置は真逆になっている。
先程までルカが立っていた壁際にネテロが。ネテロがいたハズの、ゴンの後ろにはルカが立っている。
そして「ルカ達」はいつの間にか消えており、ルカは1人、普段と変わらない顔で笑いかけてくる。
「ゴン、徹夜はしないようにがんばって!
私も先に寝るね~」
「う、うん」
なかば呆然と、ゴンはルカの背中を見送った。
鼻歌交じりに部屋から出ていく後ろ姿は、どう見ても同い年の女の子のそれなのに。
なのに・・・今のは何だ?
今の、鳥肌ものの気配は一体何だったのだろう?
ルカもキルアと同じ技を使ったのだろうか?
・・・でも、何か違うような?
見学と言っていたのに、抜け目のない奴め・・・
などと、ぶつぶつ呟いているネテロに向かって、ゴンはもう一度質問を投げ直す。
「ねぇ、ネテロさん。
キルアの技と、今のルカの技って同じ?」
「ふむ、お主はどう思う」
「う~ん・・・同じ様に見えたけど全然違う技、な気がする」
「イイ線いっとるな。
さっきも言ったが、キルアの技は知る必要のないものじゃよ」
「じゃあ、ルカの方は?」
「・・・あっちはいずれ知ることになるじゃろうて。その時になれば、な」
「すごい技ではあるんでしょ?」
「うむ。
どちらも血の滲むような努力が必要じゃ」
「やっぱりルカとキルアはすごいや!」