• テキストサイズ

蜘蛛の娘 [H×H長編]

第3章 二次試験と飛行船


「そっちはどんな攻撃も自由、ワシの方は手を出さん」

「・・・ただ、そのボールを取るだけでいいんだね?じゃ、俺から行くよ」

「ご自由に」

「・・・」




(・・・あ~あ~、キルア怒らせて)

ルカは半分呆れ顔で見ている。






いきなり現れて、「ゲームに勝てばハンター資格をやる」だなんて無茶を言うと思ったら・・・何のことはない。


(要するに、
暇潰しに付き合えってことだよね)


なんとも職権乱用というか、意外にお茶目というか、どちらにせよルカは胸を撫でおろしていた。


『エライ人』がやって来て、「念を使ったから失格じゃ!」なんて言われるかとハラハラしたが、どうも心配する必要はないらしい。




そんなことより、どんどん目が据わってきたキルアの方がよほど心配である。



「キルアだいぶ怒ってるね」

「うん、大丈夫かな」



ルカは傍らのゴンと苦笑を交わしあう。


しかし・・・
キルアが見せた初手に、苦笑は驚きへと変わった。





スウゥー・・・ッ



「!?」



足音も衣擦れの音もなく、
キルアの虚像が幾重にも重なるーーー!

これには流石のネテロも感嘆の息を吐く。


「ほう」
(この歳で肢曲を嗜むとは、末恐ろしい子じゃの~)


感心しながらも、ネテロはキルアの攻撃をかわし続けている。



(すごい・・・・!
どうして残像があれだけ見えるの?!
キルアの足は決して速く動いてるわけじゃないのに!)



「ルカ!すごいよね、アレ!
ネテロさん、どうやって避けてるのかな?」

「・・・だね!あれ、見えてるのかな?」



(ううん、見てないのかも。
だって、私でも見えない・・・目じゃないのかも)


瞬きも許さない攻防に、ルカのテンションも一気に上がっていく。


「ねえ!やっぱりルカもやろうよ!
楽しそうだよ?」

「う~ん」


目をキラキラさせて誘ってくるゴンに、ルカは悩ましげな顔をして見せた。


(たっ・・・確かに楽しそう~!でもな~)


実は、このゲーム
ルカは参加しないと宣言していた。






/ 144ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp