• テキストサイズ

蜘蛛の娘 [H×H長編]

第2章 一次試験




どさっ



顔面にトランプが食い込んだ男、
否、男だった死体が地面に転がった。



そして、同じ様に飛ばされたであろうトランプを防いだサトツと、トランプを飛ばした張本人ヒソカとが対峙していた。


「そっちが本物だね♥」


トランプを操りながら、奇術師が続ける。


「試験官というのは、審査委員会から依頼されたハンターが無償で任務につくもの♠

我々が目指すハンターの端くれともあろう者が、あの程度の攻撃を防げないわけがないからね♣」


「褒め言葉ととっておきましょう。

しかし、次からはいかなる理由でも、私への攻撃は試験官への反逆行為とみなして即失格とします。

よろしいですね」


「はいはい◆」



つまり、殺すつもりで繰り出した攻撃を防ぎ得るか否か……ヒソカが試験官であるサトツと、死体に成り果てた男を試したのだ。

(無茶するなぁ……
だーから失格になっちゃうんだ)

ルカは心の中で呟く。



……とりあえず、この湿原の危険性を理解することが出来たのを良しとして、サトツは一次試験の続行を宣言する。


「それでは参りましょうか、二次試験会場へ」








再開された一次試験は……
受験生にとって、まさに難関であった。

先導のサトツからはぐれてしまった一団など、百人単位が悲鳴と怒号の渦に巻き込まれている。




ぬかるみに足を取られる。


濃霧が視界を遮る。


おまけに、得体の知れない動植物。



己の力量を見誤り、ここへ来てしまった者の末路は……皆まで言わずとも。



どう考えても、陽気にマラソン出来る場所じゃない。


だが、そこをトップで走り続けているのは
年端もいかない子供2人



キルアとルカだった。





/ 144ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp