第11章 天空闘技場 約束
ベッドルームとリビングスペースに分かれた、スイート仕様の豪華な部屋。
200階にあてがわれた個室で、ルカはひとり、肩幅程度に足を開く。スワロフスキーが輝くシャンデリアの下、パチリと音がしそうな位、大きな目を瞬かせた。
フワッ
微風がルカの前髪を揺らし、通常は垂れ流しにしている微量のオーラがピタリと止まった。次に、両手を軽く握りしめ、息を止める。
ブオッ…!
強めの風が巻き起こり、金糸の刺繍に飾られたカーテンが窓ガラスに当たってバタバタと音を立てる。通常以上のオーラを練り出したルカは、次の瞬間、目をつむる。
フッ
一瞬にして、オーラどころかルカ自身の気配すら消え失せる。
纏、
練、
絶。
念能力の基礎も基礎。普段なら何も考えずに行うルカだが、久々にゆっくりとオーラを操った。
今日、いや、もう0時を過ぎたところだから、昨日、ウイングが説明してくれた事を反芻しながら……