第1章 邂逅
ヒソカは片一方の柳眉を跳ね上げて、先を促す。
「シャルと喧嘩して、皆が仕事中にアジトから抜け出してきちゃった。
だから、ヒソカが私のこと捕まえに来たのかなって思ったの。それで逃げた」
「なるほどね♥ 喧嘩の原因は?」
「シャルが私のこと半人前だって、ひとりじゃ何も出来ないって言うんだよ!
念だって使えるし、仕事だって手伝ってるのに。
私のこと、足手まといの塊みたいに言う!」
「それはいつものことじゃないか♠
シャルナークがキミを子ども扱いしたがるのはさ♣」
「いつも過ぎるから、我慢の限界なの!」
「うんうん♥
で、家出先がハンター試験会場っていうのは何故だい?」
「シャルが持ってるでしょ?ハンター証。
私もひとりで試験に合格して、ハンター証を持って帰れば……認めてくれるかなって」
再度なるほどね、とヒソカは言った。
言って、それはどうだろうと考える。
一度受験しているヒソカにしてみれば、試験に合格するのはさほど難しいこととは思えなかった。
特にルカやヒソカのように、念を取得している者にとっては、やり過ぎて失格しないよう注意が必要なくらいだ。
(まぁ、ハンター証ひとつでルカの気がすむのなら、それも良いか◆)
しかし、そんなことよりも……
ヒソカには気になることがあった。
「ルカ、団長にも黙って出てきたのかい?」
そう、
そこが肝心なところだ。